人間の身体をラマン分光で画像化

体内の分子が1000倍拡大できる新画像化技術、完成
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2373333/2798837

  人間の体内にある分子を1000倍に拡大して画像化できる新技術を開発したこ
とを、米国の研究チームが3月31日発表した。微小な腫瘍(しゅよう)の発見
に役立つことが期待されている。
 これは「ラマン分光法」という組織や体を傷つけないこの分子画像化システ
ムを用いた技術で、物質にレーザのような単色光を照射し、散乱される光を分
光器に通して観測すると、その物質特有のスペクトルが得られ、物質の分子の
構成物や構造が特定できる。
 米スタンフォード大学医学部(Stanford University School of Medicine)
のSanjiv Sam Gambhir氏率いる研究チームによると、この手法が人体内部の画
像を得るために用いられるのは初めてのはずだという。
 Gambhir氏は「通常1度に観測できるのは1つか2つの分子だけだが、このシス
テムでは10、20、30の分子を同時に観測できるようだ」としている。さらに、
このシグナルによって、分子が体内のどこにあるかも特定できるという。
 この技術によって得られる画像は非常に繊細で、微小ながん組織の発見にも
役立つため、その除去手術への活用も期待できるという。マウスを使った最初
の試験はすでに実施され、次は人間での臨床試験が計画されている。

ラマン散乱はとても効率が低い(10-30 cm2から10-35 cm2 (注1))ので強い光を
用いる必要があり、そうすると測定対象が壊れてしまうと思っていましたが、
人間の身体に対して適用できるようになったのですね。


(注1)

不確定性限界に迫る超高速時間分解ラマン分光
http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/struct/current/asakura.html

ラマン分光に必要なレーザー光の条件についても述べられています。

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