光で、光よりも小さなものを作る/見る

「光でナノテクをやろう!」というのは割とホットな研究分野のようです。
電子と違って大気中で使用できるので扱いやすいですしね。

リソグラフィーの限界を破る
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2004/040525/index.html

これまで、集積回路などの微細構造の作製では、光を用いて透明基板上の微細
パターンを転写する方法が使われてきましたが、波長の半分以下に結像させる
ことができないという物理的限界のために、より小さな構造を作製するために
は、より波長の短い紫外線などを使うことが検討されてきました
今回の研究では、436ナノメートルの紫色の光を、電気伝導性のよい銀のパター
ンに照射し、表面プラズモン※1と呼ばれる励起状態を作ることによって、50
ナノメートルの幅の周期構造を作製することに成功しました。表面プラズモン
は励起する光に比べて波長がずっと短いために、微細な電場分布が生じること
を利用したものです。

波長436nm の光で50nm の模様を描けるんですね。
基本的には描けるのは縞々の模様なのですが、どういう干渉が起きるか
あらかじめ計算しておけば複雑な回路のパターンも描けるようになるそうです。
それを計算させるプログラムを作るのも一つの研究ですね。
実用化されれば従来の手法に比べてかなりコストダウンすると思います。

光の波長よりも小さな分解能を持つ顕微鏡−走査型近接場光学顕微鏡像−
http://aria.mp.es.osaka-u.ac.jp/easy-intro/study/snom.htm

この手法は分光と組み合わせたりしていろいろなことができそうですが、
現在は観測にかなり時間がかかるのがたまにきず。
こういう顕微鏡は、普通に「ものを見る」のとは違って、とても小さい
針(プローブ)を動かして(走査)して、その場所の情報を1点1点測定しています。
例えるなら、物体を目で見ずに指で形をなぞって、そのデータ(高さとか感触
とか)を全部記憶しておいて、最後に全部まとめて「これはこういう形です」
と表現するようなものかな。