ナノ粒子の人体への影響

以前雑誌で「ナノテクを使った化粧水」という特集を見たのですが、それって
本当に身体にいいのかなと疑問に思っていたらこんなものを見つけました。

ナノ素材の毒性を示す新たな実験結果――ナノテクへの懸念が増大
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040507307.html

バッキーボールを濃度0.5ppmで混入した水槽にオオクチバス9尾を入れて観察
を行なった。その結果、バッキーボールを吸い込んでから48時間たったオオク
チバスの脳にかなりの損傷が確認された。脳の細胞膜に、人間のアルツハイマー
病などの疾患と関係があると考えられてきた種類の損傷を引き起こしていたの
だ。
     :
また、ナノ粒子はきわめて小さいため、細胞壁を通過して、生物のDNAが入っ
ている細胞核にまで侵入しうる。

ちょっと最初のキャッチが不安をあおる書き方が微妙ですが。

芳香族化合物はもともと発ガン性が高いものが多いので、フラーレン(バッキー
ボール)もナノチューブも身体に悪いんだろうなぁと思っていたので最初は
「当たり前じゃないの?」と思っていました。でも調べてみたらフラーレン
発ガン性は低いそうです。
(参考: http://www1.odn.ne.jp/shishakamo/bin's/fra-ren.htm)
どういう機構で有害なんだろう、脳関門を通り抜けやすいのかな?

ナノ粒子といっても大きさは様々ですが、6/23の記事とも関連して、
どのサイズなら皮膚から入れたり、細胞核に入れたりするのでしょうか?
御存知の方お教えいただけると嬉しいです。



ナノテクが新たな有害物質を生む?――最新電子顕微鏡が明かすナノ粒子の素顔
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/20040115302.html

初期の人類が起こした火も、現代の自動車と同じようにナノサイズの粒子をま
き散らしたのだ。
     :
「自然に発生する粒子は、今までもずっと身近にあったもので、われわれも非
常によく適応できているようだ。しかし、大きな素材の塊をナノ粒子にした場
合は、物理的、化学的な特性が変化する。新素材を開発している人たちにとっ
ては、こうした変化こそが魅力的な点でもある。しかし、毒性に変化があるか
どうかについても究明しなければならない。各企業は、このような新しい粒子
が人間の健康に与える影響について調べる義務がある」とハワード博士は述べ
た。

こちらはもう少し冷静な書き方をしています。
人体への影響を評価せずに出回っているものは多々あるけど、そういうものを
売り物として大量に出す前には(あるいは売り物を手に取るときには)ベネフィッ
トに対してどういうリスクがあるのか考えた方が良いかもしれません。
あるいは「これまで特に問題なく使用されてきたもの」なら、その期間がどれ
くらいか考えてみるとか。
金属や無機化合物だと、ナノ粒子にすると反応性が上がるものが多いのは事実だし。

そういえばナノ粒子ではないですが新しい化学種(界面活性剤やポリマー)を使っ
た製品も気軽に使ってる気がしますが、あれも気にしだすと気になるなぁ。
洗浄力の高い洗剤とか。