環境中から取り込むピリジンとアクロレイン

食用油:加熱で生じる2物質「健康へのリスク高い」環境省
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040727k0000e040042000c.html

 環境省は27日、食用油を加熱することなどで生じる有害化学物質、アクロ
レインとピリジンについて、「現在の環境中濃度は人の健康に影響を与える恐
れがある」とする初期評価をまとめ、中央環境審議会の専門委員会に報告した。
同省などはこれら2物質の毒性や日本人の摂取量を詳しく調べ、規制などの対
策が必要かどうか検討する。
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 その結果、アクロレインは、食料や飲料水を通じ1日に体重1キロ当たり1
00万分の2.3グラム程度摂取されていると評価された。ラットの死亡率が
増加する摂取量の約20分の1に相当した。
 同様に、ピリジンの摂取量は1日に体重1キロ当たり100万分の52グラ
ム程度と評価された。肝臓の重量が増加するなどの異常がラットに現れる摂取
量の半分に相当した。

ピリジンの摂取量が意外と多くてびっくりしました。
ラットと人間は違うので一概には言えませんが、体重1kg当たりで異常が出る
量の半分って、大人の場合ですよね。
きのうの記事にもありますが子供の場合大人よりも少量で影響を受ける場合が
あるからちょっと心配です。

ちなみにピリジンの暴露量が多いと子種がなくなるという話を時々聞きます、、、
MSDSでは記述がなかったのでただの伝説なのかなと思っていたら、
環境省化学物質の環境リスク評価にはこのような記述がありました
(このページにはアクロレインについての情報もあります)。

化学物質の環境リスク評価 第2巻 ピリジン(環境省)
http://www.env.go.jp/chemi/report/h15-01/pdf/chap02/02-2/02/37.pdf

・B6C3F1 マウスの雄に0、50、85、160 mg/kg/day、雌に0、60、100、190
mg/kg/day を飲水に添加して13 週投与した結果、50 mg/kg/day 以上の群の雄
で精子の運動性のわずかな減少を認めたが、雌では発情周期の長さに有意な差
を認めなかった8)。
・Fischer 344 ラットに0、25、55、90 mg/kg/day を飲水に添加して13 週間
投与した結果、90mg/kg/day 群の雄で睾丸及び副睾丸の萎縮を伴う体重減少を
認め、雌で発情周期の延長を認めた8)

実験室でのピリジンの取り扱いにはやはり注意した方が良さそうですね。

【追記】 (2004/07/31)
Do you think for the future?の記事毎日新聞の同じ記事について考察
されていて、アクロレインやピリジンの発生源について書かれています。
タバコの煙にも含まれているとのことですが、タバコって本当にいろんな
有害物質を出すんだなと改めて実感。